時価総額と売上、営業利益でプロット
2008年から時価総額、経常利益、営業利益でプロットしてみた。また、直近分の2024年は、プロットを大きくしている。これを見ると、TBSの時価総額は近年大きくなっているが、これは東京エレクトロンの大株主だからという理由が大きい。
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これを見ると、以下のことが言えるだろう。
- フジテレビ : 経常利益や売上はそこそこあるが、時価総額は低迷
- テレビ朝日 : 売上や経常利益は低く、時価総額も低迷
- TBSも低迷しているが、東京エレクトロンのお陰で株価は大きくなっている。最近売却したようだが。
- 日本テレビ : この中では、一番マトモな感じがする。売上も他社よりも大きく、経常利益も他社に比べて大きい。そして時価総額もそこそこ大きくなっており、一番、テレビ業界の中心になっていると言えるだろう。
各社の時価総額の動向について
1. 時価総額と経常利益の関係
時価総額は、企業の将来の成長性や収益力を反映する指標の一つ。一般的に、経常利益が増加すれば投資家の期待が高まり、時価総額も上昇する傾向にあるが、業界全体の動向や市場環境、投資家のセンチメントなども影響を与えるため、必ずしも経常利益と時価総額が一致するわけではない。特にメディア業界では、広告市場の変動や視聴率の推移、デジタルメディアの影響が重要な要素となる。
2. 日本テレビ
日本テレビの時価総額は、2010年から2015年にかけて順調に増加し、2015年には5,077億円に達しました。その後、2016年から2019年にかけては4,000億円台を維持していましたが、2020年に3,076億円まで減少しました。しかし、2021年以降は持ち直し、2024年には5,846億円と大幅に増加しています。これは、2021年以降の売上回復や営業利益の安定によるものと考えられます。
3. TBS
TBSの時価総額は、2010年の2,697億円から2014年の1,931億円まで減少しましたが、その後回復し、2017年には3,470億円に達しました。2020年には再び減少し2,592億円となりましたが、2021年以降は安定し、2024年には7,045億円と大幅に上昇しました。これは、売上の増加に加え、2022年以降の営業利益の回復が影響していると考えられます。特に、経常利益の回復が時価総額の急上昇に寄与したと考えられます。
4. フジテレビ
フジテレビの時価総額は、2010年の3,275億円から2014年に4,387億円へと増加しましたが、その後は減少傾向が続き、2020年には2,491億円まで下落しました。2021年以降は一時的に回復するものの、2023年には2,657億円と低迷しました。2024年には4,284億円に回復しましたが、全体的には2010年代半ばのピーク時に比べると依然として低い水準にあります。経常利益も減少傾向にあり、それが時価総額の低迷につながっていると考えられます。
5. テレビ朝日
テレビ朝日の時価総額は、2010年の1,429億円から2015年に2,173億円へと増加しました。その後、2016年以降は2,000億円前後で推移していましたが、2020年に1,697億円と減少しました。その後は回復基調にあるものの、2024年には2,181億円と依然として他局に比べて低い水準にとどまっています。経常利益の推移を見ると、2021年以降は安定しているものの、大きな成長が見られないため、時価総額の伸び悩みの要因となっている可能性がある。
平均利益と平均時価総額
各社の過去15年間の平均営業利益と平均時価総額を算出すると、以下のようになります。
- 日本テレビ: 平均営業利益 424.4億円 / 平均時価総額 4,002.7億円
- TBS: 平均営業利益 150.3億円 / 平均時価総額 3,167.7億円
- フジテレビ: 平均営業利益 274.0億円 / 平均時価総額 3,385.1億円
- テレビ朝日: 平均営業利益 145.1億円 / 平均時価総額 1,867.9億円
全体的に、日本テレビが最も高い利益を上げており、それに伴い時価総額も最も高くなっており、TBSは近年の利益回復が顕著であり、それが時価総額の大幅な上昇につながっている。
総括
2020年のパンデミックによる影響で、各社の時価総額は一時的に減少しましたが、その後は回復傾向にある。特にTBSは2024年に7,045億円と急成長しており、日本テレビも5,846億円と過去最高水準に達した。一方で、フジテレビとテレビ朝日は回復の兆しを見せつつも、2010年代のピーク時の水準には戻っておらず、経常利益の推移を見ると、TBSと日本テレビの回復が時価総額の上昇を支えていると考えられる。
これ見ると、フジテレビは売上の割には経常利益が低くコストが高いことが想像できる。コストベースで言えば、日本テレビが最も優秀といえ、それに伴い、時価総額も上昇している傾向が分かるだろう。
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