市場の動向のまとめ 11/10〜11/14

投資

米ハイテク調整+円安継続の中で、日経は5万円台で値幅は小さいが、中身は個別株がかなり激しく動いている一週間」


1. 相場全体の流れ(11/10〜11/14)

日本株(主に日経平均)

  • 日経平均の水準
    • 11/10週:50,276円(前週比 -4.07%)
    • 11/11:50,842円(前日比 -0.14%)
    • 11/12:51,063円(前日比 +0.43%)
    • 11/13:51,281円(前日比 +0.43%)
  • 動きの特徴
    • 週前半:米ハイテク株の調整や米景気の先行き不透明感で上値が重く、戻りの鈍い展開
    • 週後半:
      • 円安進行や外部環境の落ち着きもあり、下値は限定的
      • 好業績や材料のある銘柄には資金が入り、「指数は小動きだが、中身は選別色強い」相場
    • TOPIXは最高値更新の場面もあり、広く物色はされている印象。

米国株(S&P500を中心に)

  • S&P500の水準
    • 11/10週終値:6,728.80(前週比 -1.6%)
    • 11/11:6,846.61(前日比 +0.21%)
    • 11/12:6,850.92(前日比 +0.063%)
    • 11/13:6,737.49(前日比 -1.66%)
  • 動きの特徴
    • AI・ハイテク関連のバリュエーション(割高感)への警戒から、ハイテクを中心に調整。
    • 一方で、政府機関再開への期待や利下げ観測が意識され、指数全体としては強弱が入り混じる展開
    • 日によって:
      • 「ダウは最高値更新だが、ナスダックは下落」
      • 「AI関連が重しになってS&P500が下落」
        と、指数間・セクター間のばらつきが大きい。

為替(米ドル/円)

  • 水準
    • おおむね 153〜155円台で推移。
  • 背景
    • 日米金利差が依然として意識されており、基本はドル高・円安基調
    • 場面によっては155円近辺まで接近しつつも、
      • 米経済指標(労働市場など)への警戒
      • 当局の急変動への警戒感
        もあり、高値圏でもみ合いという描写。

2. 週内に予定・意識された主な経済指標

  • 日本
    • 景気一致指数・先行指数(速報)
    • 国際収支・貿易収支
  • 米国
    • MBA住宅ローン申請指数
    • 消費者物価指数(CPI)
    • 小売売上高(重要度★★★)

→ 特に米CPIと小売売上高が、利下げ時期や金利観測に直結するイベントとして意識されている、という位置づけ。


3. 個別株・テーマの動き

日本株

① 建設・インフラ・プラント関連

  • 鹿島建設(1812)
    • 業績・配当予想の上方修正で急騰(+8.86%)
    • 土木・建築の両方での増収・利益率改善が評価。
  • 三井海洋開発(6269)
    • 2026年3月期の営業利益・配当予想の上方修正でストップ高(+26.07%)
    • 海洋開発(FPSOなど)の期待が再評価される流れ。

② 資源・素材・ケミカル

  • 助川電気工業(7711)
    • 原発投資への公的融資解禁を目指す法改正報道を受け、
      原発向け部材期待からストップ高(+17.79%)
  • 三菱瓦斯化学(4182)
    • 子会社の減損による一転赤字見通しでストップ安(-16.91%)
  • 三井金属(5706)
    • 営業利益増益見通し&配当上方修正。
    • AIサーバー向け電解銅箔需要の堅調さが材料となり +23.27% の急騰。

③ 通信・投資持株

  • ソフトバンクグループ(9984)
    • 上期純利益は前年同期比2.9倍で好決算&株式分割発表。
    • しかし「好材料出尽くし」やNVIDIA株売却報道などもあり、
      株価は-3.46%と売られる場面も(瞬間的には-10%超)。

④ 医療・ヘルスケア・自動車

  • エムスリー(2413)
    • 上期純利益が+31.3%増、予想も上回り、ストップ高(+23.48%)
    • 医療DX関連として、再度注目。
  • いすゞ自動車(7202)
    • 増収減益ながら市場予想を上回り、目標株価引き上げも追い風で
      上場来高値を更新(+11.98%)
  • 日本発条(ニッパツ:5991)
    • 上期営業利益が19.2%減でストップ安(-17.14%)
    • 自動車関連でも、好悪材料で明暗がはっきり

米国株

  • Merck(MRK)
    • がん薬KEYTRUDA好調で売上が予想上振れ、+4.84%
  • UnitedHealth(UNH)
    • 売上+顧客数増で業績は堅調、+3.55%
  • Cisco Systems(CSCO)
    • 売上・受注が堅調で、AIインフラ向け受注拡大が評価され**+4.62%**。
      → 「AIデータセンター/ネットワークインフラ」周辺にも資金が流入している文脈。

4. 全体を通したポイント

  1. 米ハイテク・AI関連の「過熱+調整」が世界株に影響
    • S&P500やナスダックでは、AI・大型テック株の値動きが指数全体の方向性を左右。
    • 一方で、医薬・ヘルスケア・バリュー寄り銘柄には資金が向かう場面もあり、ローテーション色も感じられる。
  2. 日本株は「指数は安定〜小動き、個別はかなり動く」局面
    • 日経平均は5万円台を維持しつつも、
      • 原発、AIサーバー(銅箔)、医療DX、建設・海洋開発などのテーマ・材料株が一気に動く展開。
    • 一方で、減損・下方修正・減益が出た銘柄には、ストップ安級の厳しい反応も。
  3. 円安(153〜155円)と金利差が引き続き日本株を下支え
    • 円安メリット銘柄(輸出関連)への買いも入りつつ、
    • 金利・為替・米ハイテクの動向が常に意識されている状況。

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