日産の株価は適切か?

投資

2024年12月27日、日経に以下の報道があった。

ホンダ・日産、統合比率5対1が基準に 株価から日経試算 - 日本経済新聞
ホンダと日産自動車が経営統合の協議を始めた。2026年4月の臨時株主総会で3分の2以上の賛同を得る計画だ。焦点となるのが統合比率だ。株主の関心が最も高く、統合議案の総会賛否や新会社の株主構成に影響する。日本経済新聞の試算によると、ホンダと日...

この報道によると、過去の事例をもとにした場合、日産とホンダの統合比率は5対1になる可能性が高いとされている。この比率は時価総額ベースで算出されている。では、これを実際の株価に換算するとどの程度になるのかを計算してみる。

まず、両社の発行株式数は以下の通り。

会社名発行株式数(千株)
ホンダ5,280,000
日産3,713,998

次に、12月30日時点のホンダの株価を基に時価総額を計算すると以下のようになる。

項目数値
株価(円/株)1,535
発行株式数(千株)5,280,000
時価総額(億円)81,048

これを基に、ホンダの時価総額の1/5が日産の時価総額であると仮定すると、日産の時価総額は以下のようになる。

日産の時価総額(億円)= 81,048 ÷ 5 = 16,210

この仮定のもと、日産の適正な株価は以下の式で求められる。

日産の適正株価 = 日産の時価総額 ÷ 発行株式数(千株)= 16,210 ÷ 3,713,998 = 約436円

しかし、12月30日時点での日産の株価は480円となっており、適正株価と比べて株価は約10%高い水準にある。

また、日産とホンダの統合話はまだ始まったばかりであり、決裂する可能性も否定できない。現段階では、統合が進展するかどうかの不確実性が高いため、今後の交渉や調整の進展を注視する必要がある。そのため、投資家の期待が過剰に先行している可能性もある。

その上で、現在の日産株価が10%高い水準にあるのは、投資家の期待値が先行している状況と見られる。特に、統合が実現した場合でも、各社の企業文化や経営戦略の違いが障害となり、統合後のシナジー効果が十分に発揮されるかどうかは不透明だ。

今後、日産とホンダの統合については、状況を注視しながら慎重に判断する必要がある。現状では、日産の株価は割高な水準と言えるだろう。短期的には株価が調整される可能性もあり、投資家はリスクを十分に考慮するべきだ。

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