現在、S&P500の価格がボラタイルな状況が続いている。しかし、市場がボラタイルであること自体は当たり前のことであり、この変動があるからこそ、高いリターンを得ることが可能となる。つまり、ボラタイルな環境は高いリターンの源泉の一つであると言える。
ただし、ボラタイルであることが必ずしも株価の回復を意味するわけではない。過去にはS&P500がピークから大きく下落し、その後、再びピークを超えるまでに長い時間を要したケースも存在する。それを確認するために、1900年のS&P500の株価から直近までのデータを使い計算をした。
以下は、S&P500がピークから下落し、その後ピークを再び超えるまでに要した期間のデータである。
超えるまでの年数 | ピーク時 | 価格 | ピーク超え | 価格 | 要因 |
---|---|---|---|---|---|
25.0年 | 1929/09/07 | 31.92 | 1954/09/21 | 31.79 | 大恐慌 |
10.8年 | 1906/01/19 | 11.18 | 1916/11/04 | 11.16 | サンフランシスコ地震 |
8.1年 | 1916/11/20 | 11.32 | 1924/12/31 | 11.30 | 第一次世界大戦 |
7.5年 | 1973/01/11 | 120.24 | 1980/07/16 | 119.63 | オイルショック(第一次石油危機)とブレトン・ウッズ体制の崩壊 |
7.2年 | 2000/03/24 | 1527.46 | 2007/05/29 | 1518.11 | ドットコム・バブル崩壊 |
5.5年 | 2007/10/09 | 1565.15 | 2013/03/27 | 1562.85 | 金融危機(リーマンショック) |
3.3年 | 1968/11/29 | 108.37 | 1972/03/03 | 107.94 | |
2.5年 | 1902/09/09 | 9.48 | 1905/02/23 | 9.40 | |
2.1年 | 1956/08/02 | 49.64 | 1958/09/23 | 49.56 | |
2.0年 | 2022/01/03 | 4796.56 | 2024/01/18 | 4780.94 | |
1.9年 | 1980/11/28 | 140.52 | 1982/11/02 | 137.49 | |
1.9年 | 1987/08/25 | 336.77 | 1989/07/25 | 333.88 | |
1.7年 | 1961/12/12 | 72.64 | 1963/08/30 | 72.50 | |
1.5年 | 1959/08/03 | 60.71 | 1961/01/26 | 60.62 | |
1.3年 | 1983/10/10 | 172.65 | 1985/01/18 | 171.32 | |
1.2年 | 1966/02/09 | 94.06 | 1967/05/03 | 93.91 | |
1.1年 | 2015/05/21 | 2130.82 | 2016/07/08 | 2129.90 | |
1.1年 | 1901/06/17 | 9.20 | 1902/07/17 | 9.20 | |
1.0年 | 1994/02/02 | 482.00 | 1995/02/13 | 481.65 |
上記の表で分かる通り、ピークを超えるまでに1年以上かかったケースは19回あり、その平均回復期間は4.4年となっている。
特に、4.6年以上を要したケースは6回だけだが、その中でも1929年に始まった大恐慌の回復には約25年を要した。次に長い期間を要したのは1906年のサンフランシスコ地震による影響である。また、1916年の株価下落は第一次世界大戦が原因とされている。
戦後に限定してみると、回数は14回であり、平均期間は2.8年である。つまり、3年我慢すれば株価は回復する可能性がかなり高い。
現在の市場環境を見ると、「AIバブル」と言われており、過去の類似ケースとして参考になるのはドットコム・バブル崩壊と金融危機(リーマンショック)の時期であろう。これらのケースでは、株価が回復するまでにそれぞれ7.2年と5.5年を要している。
今回の株価が、どの程度の期間で回復するかは全くの不明であるが、気になるのであれば3年程度、慎重な人は7年程度の期間の生活費を現金で賄えるように準備を進めることが、安定した資産管理につながるだろう。
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