[2020年9月] 総合福祉団体定期保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 総合福祉団体定期保険は、原則として、企業 (団体) が保険料を負担し、役員・従業員を被保険者とする定期保険である。
- 総合福祉団体定期保険は、被保険者の死亡または所定の高度障害に対して保険金が支払われるため、被保険者が定年退職した場合に支払う退職金の準備としては適さない。
- 総合福祉団体定期保険の保険期間は、1年から10年の範囲内で、被保険者ごとに設定することができる。
- 総合福祉団体定期保険のヒューマン・ヴァリュー特約は、被保険者の死亡等による企業(団体) の経済的損失に備えるものであり、 その特約死亡保険金等の受取人は、 企業 (団体) となる。
🔍 各選択肢の検討
選択肢1
総合福祉団体定期保険は、原則として、企業 (団体) が保険料を負担し、役員・従業員を被保険者とする定期保険である。
✅ 適切
- 総合福祉団体定期保険は、企業が保険契約者・保険料負担者となり、従業員や役員を被保険者とする仕組み。
- 目的は、福利厚生・遺族補償・弔慰金支払い等の原資準備。
選択肢2
総合福祉団体定期保険は、被保険者の死亡または所定の高度障害に対して保険金が支払われるため、被保険者が定年退職した場合に支払う退職金の準備としては適さない。
✅ 適切
- この保険は「死亡・高度障害」が支払い条件。
- 「定年退職時に確実に支払う退職金」を目的とするには不適切(支払い条件に該当しないため)。
選択肢3
総合福祉団体定期保険の保険期間は、1年から10年の範囲内で、被保険者ごとに設定することができる。
❌ 不適切 → 正解
- 総合福祉団体定期保険は団体ごとに一括して契約され、保険期間も団体単位で設定される。
- 被保険者ごとに保険期間を個別設定することはできない。
- よってこの記述は誤りです。
選択肢4
総合福祉団体定期保険のヒューマン・ヴァリュー特約は、被保険者の死亡等による企業(団体) の経済的損失に備えるものであり、 その特約死亡保険金等の受取人は、 企業 (団体) となる。
✅ 適切
- ヒューマン・ヴァリュー特約は、企業が従業員を失った際の経済的損失に備える特約。
- 企業が保険金を受け取り、弔慰金や採用費用の補填などに使えるよう設計されている。
✅ 結論:最も不適切なのは「3」
被保険者ごとに保険期間を設定できるという記述は、商品性に反するため誤りです。
✅ ヒューマン・ヴァリュー特約とは?
🔹 定義:
企業(団体)が契約者となる保険(総合福祉団体定期保険など)に付加できる特約で、
従業員が死亡または所定の高度障害となった場合に、企業が受け取る保険金を補強するための特約です。
🎯 主な目的
- 企業にとって重要な人材(従業員・役員)を失ったことによる
経済的損失の補填 - たとえば:
- 新たな人材の採用・育成コスト
- 事業の一時的損失
- 弔慰金や退職金の財源補填 など
💡 特徴
項目 | 内容 |
---|---|
契約者 | 企業・団体(保険料も企業負担) |
被保険者 | 企業の従業員・役員など |
保険金受取人 | 原則として企業(団体) |
対象となるリスク | 被保険者の死亡または所定の高度障害 |
支払われる保険金 | 特約保険金(基本の死亡保険金に上乗せ) |
🔧 組み合わせ例
- 基本契約:総合福祉団体定期保険
- 特約として付加:ヒューマン・ヴァリュー特約(死亡保険金を増額)
📌 注意点
- 従業員の遺族が受け取る保険金ではない(企業が受取人)。
- 福利厚生目的というよりも、事業継続や損失補填のリスク管理という意味合いが強い。
🏢 向いている企業
- キーパーソンを多く抱える中小企業
- 弔慰金・退職金を企業が独自に支払っている会社
- 経済的損失が業績に直結しやすい業種(営業職中心の会社など)
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