カブアンドの株について考えてみた

ちょっと前になるが、前澤さんが設立したカブアンドピース株式会社が、ユーザーに株を配ると話題になった。非常に良い試みだし、資本主義において労働者として生活するよりも資本家として生活するほうが生活は潤う。特に株式(これは前澤さんのカブアンドピース社の株式に限らない)を持つことは大きな利点がある。

ただし、多くの人が理解しているように良い株を購入することが大事であり、どんな株式でもいいわけではない。良い銘柄を購入できる先見の明を持っている人は、ほとんどいないし、非常に高い能力が必要となる。そのため、全体をカバーできるインデックス投資を私は推奨している。

一方で、前澤さんのカブアンドピース社の株は未上場株式であり、事前にユーザーに使用料に応じて株が配分されるユニークなものだ。これは、ユーザーこそ会社を支えてくれたという前澤さんの思いが、このような形になったと思うが、非常に素晴らしい試みであり、私個人は応援したい。

しかし、カブアンドモバイルに申し込んでも、反応がなく、サポートセンターにも繋がらないのはまいった。1週間ほど、携帯電話が使えない状況となり、外に出ることが少なくなってしまった。しかも、その際にも前澤さんからは、日本人が総株主になってもらうことが大切という、眼の前のサポートができない状況を無視した発言があり、これも閉口してしまった。。。

それはさておき、配られる株について考えてみたい。カブアンドピース社では、以下の株引換券の還元率を採用している。プラス会員は、毎月500円を払うとなれる会員区分だ。

サービス名株引換券還元率株引換券還元率
通常会員プラス会員
電気 1%2%
ガス 1%2%
モバイル 10%20%
ひかり5%10%
ウォーター5%10%
ふるさと納税1%2%

上記を見ると、モバイルが突出して高いことがわかるだろう。つまり、使用料の10%、もしくは20%相当の株式に交換できるのだ。それ以外については、ひかりとウォーターが5%(プラス会員は10%)となっており、高い還元率だと思う。

そもそも、サービスの値段がどうなっているかは、議題には挙げない。しかし、ネット上の評価では最も割安なサービスに比べれば、やや高いといったところだろうか。つまり、簡単に理解するのであれば、やや値段が高いサービスを購入するが、その差額分の株をもらえるということだろうか?

例えば、4000円のモバイルサービスを申し込んだときにもらえる株券の相当額は400円、もしくは800円だ。株を上場させたときに、同じ相当額の金額で売却できるのであれば、それぞれ実質な負担は3600円と3700円(プラス会員は毎月500円を負担しなくてはいけない)となる。

この金額が、カブアンドピース社のサービスを受けるかどうかの一つの目線になるだろう。もちろん、株を上場させることは、普通の人ならば無理だろうが、前澤さんならばなんとかしてくれるという希望的な観測が前提だ。

じゃ、上場時に5倍になったら、どうなるのだろうか?。10倍であれば?。株式が上場する際には株価が10倍になるのは普通のことだ。同じ条件で以下に計算してみた。

上場時の価格の倍率実質負担額(通常会員)実質負担額(プラス会員)
1倍36003700
2倍32002900
3倍28002100
4倍24001300
5倍2000500
6倍1600-300
7倍1200-1100
8倍800-1900
9倍400-2700
10倍0-3500

上記の具体的な計算方法は、以下の通りだ。

通常会員:株式上場時に株価が5倍になったら、実質の毎月の負担額 4000 – 400 x 5 = 2000

プラス会員:上場時に5倍になったら、実質の毎月の負担額 4000 – 800 x 5 + 500 = 500

単純に考えれば、カブアンドピース社の株式の価格が10倍になれば、通常会員であれば、今までの支払い料金が実質的に無料になる。一方で、プラス会員であればプラスのリターンとなり、毎月3500円をもらってサービスを受けていたことになる。

どうだろうか?。少しはイメージが湧くだろうか?。

実際には株価がどのくらいになるのかは検討がつかない。10倍は正直にって、かなり楽観的な観測だと思う。そもそも上場できるかもわからない。これはカブアンドピース社の今後のサービスと、そこから生まれる収益に大きく依存するだろう。

ただ、今のところサポートデスクにすら繋がらないような状況であれば、サービスの質は正直高いとは期待できないと思うし、そもそも右から左に持ってくるようなビジネスで高収益が得られるものだろうか?。このところは、会社の収益の開示に期待するしかない。

ただ、総国民が株主になるという前澤さんの理想は、本気で応援したい。何年かかるかわからないが、上場をしてもらい多くの株主に株というものを体験してもらうことが、本当に重要だと思う。

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