公的年金の併給調整等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。[2019年9月]
- 障害基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、 障害基礎年金と老齢厚生年金を同時に受給することができる。
- 遺族厚生年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、その者の選択によりいずれか一方の年金が支給され、 他方の年金は支給停止となる。
- 障害基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、 障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。
- 同一の事由により、 障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、 障害厚生年金は全額支給され、 障害補償年金は所定の調整率により減額される。
この設問において、最も不適切なものは「2」です。
各選択肢の解説:
✅ 1. 適切
障害基礎年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と老齢厚生年金を同時に受給することができる。
- 障害基礎年金と老齢厚生年金の組み合わせは、65歳以降も併給可能です。
- ただし、障害厚生年金と老齢厚生年金は選択が必要。
- よって、この記述は正しいです。
❌ 2. 不適切
遺族厚生年金と老齢厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、その者の選択によりいずれか一方の年金が支給され、他方の年金は支給停止となる。
- 誤りです。
- 「遺族厚生年金と老齢厚生年金」の併給は、原則として両方の年金のうち有利な方を選択する仕組みですが、一部併給も可能です。
- 実際には、「併給調整」と呼ばれる制度により、老齢厚生年金の一部と遺族厚生年金の一部を併給するケースも存在します。
- よって「いずれか一方しか支給されない」というのは不正確で不適切な記述です。
✅ 3. 適切
障害基礎年金と遺族厚生年金の受給権を有している者は、65歳以降、障害基礎年金と遺族厚生年金を同時に受給することができる。
- この組み合わせは併給可能です。
- 片方が基礎年金(国民年金)、もう一方が厚生年金であるため、支給調整されません。
- よって、正しいです。
✅ 4. 適切
同一の事由により、障害厚生年金と労働者災害補償保険法に基づく障害補償年金が支給される場合、障害厚生年金は全額支給され、障害補償年金は所定の調整率により減額される。
- この併給については、「損益調整」の仕組みにより、障害厚生年金は全額支給され、労災側が調整対象になります。
- よって、記述は正しいです。
結論:
正解:2(最も不適切な記述)
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