[2022年9月] 所得税における所得控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
- 所得税法上の障害者に該当する納税者は、その年分の合計所得金額の多寡にかかわらず、 障害者控除の適用を受けることができる。
- 納税者は、その年分の合計所得金額の多寡にかかわらず、 基礎控除の適用を受けることができる。
- 納税者は、その年分の合計所得金額が500万円を超える場合、 ひとり親控除の適用を受けることができない。
- 納税者は、その年分の合計所得金額が1,000万円を超える場合、 配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、 配偶者控除の適用を受けることができない。
【選択肢1】
所得税法上の障害者に該当する納税者は、その年分の合計所得金額の多寡にかかわらず、障害者控除の適用を受けることができる。
✅【正しい】
- 障害者控除は、納税者本人または扶養親族が障害者に該当すれば適用される。
- 合計所得金額による制限はない。
- よってこの記述は正しい。
【選択肢2】
納税者は、その年分の合計所得金額の多寡にかかわらず、基礎控除の適用を受けることができる。
❌【不適切(正解)】
- 基礎控除は令和2年から、合計所得金額が2,400万円超で段階的に減額または不適用になる。
合計所得金額 | 基礎控除額 |
---|---|
2,400万円以下 | 48万円 |
2,400万円超~2,450万円以下 | 32万円 |
2,450万円超~2,500万円以下 | 16万円 |
2,500万円超 | 0円(適用なし) |
- よって「多寡にかかわらず適用を受ける」は誤り。この選択肢が不適切で、正解。
【選択肢3】
納税者は、その年分の合計所得金額が500万円を超える場合、ひとり親控除の適用を受けることができない。
✅【正しい】
- ひとり親控除は、以下が主な要件:
- 配偶者がいない
- 生計を一にする子がいる
- 合計所得金額が500万円以下
- よって「500万円を超える場合、適用を受けられない」は正しい。
【選択肢4】
納税者は、その年分の合計所得金額が1,000万円を超える場合、配偶者の合計所得金額の多寡にかかわらず、配偶者控除の適用を受けることができない。
✅【正しい】
- 配偶者控除には納税者本人の所得制限(1,000万円以下)がある。
- 配偶者の所得が少なくても、納税者の合計所得が1,000万円を超えると控除不可。
- よってこの記述は正しい。
✅ 結論(正解)
2. 納税者は、その年分の合計所得金額の多寡にかかわらず、基礎控除の適用を受けることができる。
が不適切であり、正解です。
コメント