FP2級 所得税の納税義務者

[2021年9月] 所得税の納税義務者に関する次の記述のうち、 最も適切なものはどれか。 

  1. 非永住者とは、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、 過去10年以内の間に日本国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下である個人をいう。
  2. 非永住者は、 国内源泉所得に限り、 所得税の納税義務がある。
  3. 非永住者以外の居住者で、 日本国籍を有しない者は、 国内源泉所得、 国外源泉所得のうち国内において支払われたものまたは国外から送金されたものに限り、所得税の納税義務がある。 
  4. 日本国籍を有する非居住者は、 国内源泉所得および国外源泉所得について所得税の納税義務がある。 

✅ 正解:1

非永住者とは、居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所または居所を有していた期間の合計が5年以下である個人をいう。

正しい定義です。

🔹「非永住者」の定義(所得税法第2条):

  • 居住者のうち、
    • 日本国籍を有しておらず、
    • 過去10年のうち、日本に住所または居所を有していた期間が通算5年以下
      → この条件を満たす個人を「非永住者」といいます。

❌2. 誤り

非永住者は、国内源泉所得に限り、所得税の納税義務がある。

誤りです。

非永住者は、以下の所得に対して課税されます:

  • 国内源泉所得
  • 国外源泉所得のうち、日本に送金された部分(いわゆる「送金課税」)

したがって、「国内源泉所得に限る」は×。


❌3. 誤り

非永住者以外の居住者で、日本国籍を有しない者は、国内源泉所得、国外源泉所得のうち国内において支払われたものまたは国外から送金されたものに限り、所得税の納税義務がある。

誤りです。

「非永住者以外の居住者」は、永住者(通常の居住者)です。
永住者であれば、全世界所得(国内・国外問わず)に課税されます。

送金されたものに限る、支払地による、という制限はありません。


❌4. 誤り

日本国籍を有する非居住者は、国内源泉所得および国外源泉所得について所得税の納税義務がある。

誤りです。

非居住者は、国内源泉所得のみが課税対象です。
国外源泉所得については、たとえ日本国籍を持っていても課税されません(ただし租税条約などの例外はある)。


🔻まとめ表

選択肢判定解説
1非永住者の定義として正確。日本国籍なし+過去10年で居住歴5年以下。
2非永住者は国外源泉所得のうち送金分にも課税される。
3非永住者でなければ全世界所得に課税される(送金など関係ない)。
4非居住者は国内源泉所得のみ課税対象。国外所得は課税されない。

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