[2020年9月]不動産に係る固定資産税および都市計画税に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 固定資産税の納税義務者は、年の中途にその対象となる土地または家屋を売却した場合であっても、その年度分の固定資産税の全額を納付する義務がある。
- 住宅用地に係る固定資産税の課税標準については、住宅用地で住宅1戸当たり300m2以下の部分について課税標準となるべき価格の6分の1の額とする特例がある。
- 都市計画税は、都市計画区域のうち、原則として市街化調整区域内に所在する土地または家屋の所有者に対しては課されない。
- 都市計画税の税率は各地方自治体の条例で定められるが、100分の0.3を超えることはできない。
各選択肢の検討
✅ 選択肢1
固定資産税の納税義務者は、年の中途にその対象となる土地または家屋を売却した場合であっても、その年度分の固定資産税の全額を納付する義務がある。
🔍【解説】
- 固定資産税は、毎年1月1日現在の所有者に課税されます(地方税法第343条)。
- 年の途中で売却しても、その年度分は1月1日の所有者が全額納税します。
- 売主・買主間で清算することはありますが、それは私的な取り決めです。
✅ 適切
❌ 選択肢2(誤り・正解)
住宅用地に係る固定資産税の課税標準については、住宅用地で住宅1戸当たり300m²以下の部分について課税標準となるべき価格の6分の1の額とする特例がある。
🔍【解説】
- 固定資産税の特例制度(住宅用地に係る課税標準の特例)によれば:
区分 | 面積 | 課税標準の軽減 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 1戸につき200㎡まで | 6分の1 |
一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 | 3分の1 |
- よって、**6分の1となるのは「200㎡まで」**です。
- 「300㎡まで6分の1」とするこの記述は誤り。
❌ 不適切(正解)
✅ 選択肢3
都市計画税は、都市計画区域のうち、原則として市街化調整区域内に所在する土地または家屋の所有者に対しては課されない。
🔍【解説】
- 都市計画税は市街化区域にのみ課税されます(地方税法第702条の2)。
- 市街化調整区域には原則として課税されません。
- 「原則として」とあるのは、条例による例外規定の余地を考慮しており、正しい表現です。
✅ 適切
✅ 選択肢4
都市計画税の税率は各地方自治体の条例で定められるが、100分の0.3を超えることはできない。
🔍【解説】
- 地方税法第702条の2第2項により、都市計画税の税率の上限は**年0.3%(100分の0.3)**と定められています。
- 自治体の条例で税率は定められますが、この上限を超えることはできません。
✅ 適切
✅ 結論
選択肢 | 判定 | 理由 |
---|---|---|
1 | ✅ 適切 | 固定資産税は1月1日時点の所有者が全額納付。 |
2 | ❌ 不適切(正解) | 「6分の1」の軽減は200㎡まで。300㎡は対象外。 |
3 | ✅ 適切 | 市街化調整区域には原則課税されない(例外あり)。 |
4 | ✅ 適切 | 都市計画税の税率は上限0.3%で正しい。 |
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