例題 [2018年5月] 保険法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 保険法では、保険金等の支払時期に関する規定が設けられており、同法の施行日後に締結された保険契約に限って適用される。
- 保険法では、告知義務に関して、同法の規定よりも保険契約者、被保険者にとって不利な内容である約款の定めは、適用除外となる一部の保険契約を除き、無効となる旨が定められている。
- 保険法は、保険契約と同等の内容を有する共済契約についても適用対象となる。
- 保険契約者と被保険者が異なる死亡保険契約は、その加入に当たって、被保険者の同意が必要である。
正確な解説
選択肢1
保険法では、 保険金等の支払時期に関する規定が設けられており、 同法の施行日後に締結された保険契約に限って適用される。
🔴 不適切(正解)
- 保険法は平成22年4月1日から施行されたが、
「施行日後に締結された契約に」**「限って」**適用されるという記述が不正確。 - 実際には、施行日前に締結された契約でも、その後に更新・変更等があれば適用対象になることがある。
- また、「限って」という断定は、立法趣旨や実務に照らして過度に限定的。
✅ よって、最も不適切な記述はこれ(選択肢1)です。
選択肢2
告知義務に関して、同法の規定よりも保険契約者・被保険者に不利な内容の約款は、適用除外となる一部の保険契約を除き無効となる。
✅ 適切。
- 保険法第5条により、保険契約者保護の趣旨で定められている。
選択肢3
保険法は、 保険契約と同等の内容を有する共済契約についても適用対象となる。
✅ 適切。
- 共済契約でも、保険的性格が強いものには保険法が準用される(営利・非営利問わず)。
- 実際に、消費生活協同組合の共済や農協共済なども、保険法の規定が一部適用されるという解釈が通説・実務上確立しています。
- ご指摘の通り、保険契約者保護機構には加入していないというのは別問題です。
選択肢4
保険契約者と被保険者が異なる死亡保険契約には、被保険者の同意が必要。
✅ 適切。
- 保険法第87条:同意がない場合、契約は無効。
✅結論:正解は 1
「保険法は、施行日後に締結された契約に限って適用される」とする断定が誤り。
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