遺族厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。[2019年9月]
- 遺族厚生年金を受給することができる遺族の範囲は、 厚生年金保険の被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、その者によって生計を維持し、かつ、 所定の要件を満たす配偶者、子、 父母、 孫または祖父母である。
- 厚生年金保険の被保険者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の年金 額は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者期間が300月未満の場合、 300月と みなして計算する。
- 厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、 夫の死亡当時に子のいない40歳以 上65歳未満の妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、 妻が65歳に達する までの間、 妻に支給される遺族厚生年金に中高齢寡婦加算額が加算される。
- 厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、 夫の死亡当時に子のいない28歳の 妻が取得した遺族厚生年金の受給権は、 妻が35歳に達したときに消滅する。
各選択肢の解説:
✅ 1. 適切
遺族厚生年金を受給することができる遺族の範囲は、厚生年金保険の被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、その者によって生計を維持し、かつ、所定の要件を満たす配偶者、子、父母、孫または祖父母である。
- 遺族厚生年金の受給対象者の範囲はこの記述の通りです。
- 配偶者・子・父母・孫・祖父母は、一定の要件(生計維持関係や年齢など)を満たせば対象。
- よって、正しいです。
✅ 2. 適切
厚生年金保険の被保険者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の年金額は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者期間が300月未満の場合、300月とみなして計算する。
- 遺族厚生年金の計算においても、300月(25年)未満の場合は300月とみなすという規定があります。
- これは報酬比例部分の計算で使用。
- よって、正しいです。
✅ 3. 適切
厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、夫の死亡当時に子のいない40歳以上65歳未満の妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、妻が65歳に達するまでの間、妻に支給される遺族厚生年金に中高齢寡婦加算額が加算される。
- 子のいない40歳以上65歳未満の妻が対象。
- 条件を満たす場合、中高齢寡婦加算(2024年度:約586,300円)が65歳になるまで加算されます。
- よって、正しいです。
❌ 4. 不適切
厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、夫の死亡当時に子のいない28歳の妻が取得した遺族厚生年金の受給権は、妻が35歳に達したときに消滅する。
- これは誤り。
- 子のいない30歳未満の妻が遺族厚生年金を受給する場合、5年間の有期支給となり、支給開始から5年で終了します。
- 「35歳に達したときに消滅する」というのは誤解です。
- たとえば28歳で受給権を得た場合、33歳で打ち切りとなります。
- よって、不適切な記述です。
結論:
正解:4(最も不適切なもの)
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