NASDAQの投資結果分析

SP500でも、一括投資と分割投資の計算を実施した。今度は、NASDAQで試してみたい。

まずは、1970年から2024年までのNASDAQにおける一括投資と分割投資の結果を示した。

分割投資と一括投資の比較結果

投資期間投資方法平均リターン
1970 – 2024分割投資190%
1970 – 2024一括投資305%

分割投資のタイミングの比較結果

計算方法は、SP500でも同じであるが、毎月$10,000を投資する際に、以下の3つのパターンで計算を行った。

  1. 毎月の月末に購入した場合
  2. 毎月の平均価格で購入した場合
  3. 毎月の最安値で購入した場合

1970 – 2024の結果

項目
株数19,17419,19619,867
資産372,053,715372,486,679385,496,310
投資額6,600,0006,600,0006,600,000
増加割合56.456.458.4

2000 – 2024の結果

項目
株数932932977
資産18,093,83818,090,12318,962,353
投資額3,000,0003,000,0003,000,000
増加割合6.0316.0306.321

2015 – 2024の結果

項目
株数145146151
資産2,817,6132,829,0022,938,370
投資額1,200,0001,200,0001,200,000
増加割合2.3482.3582.449

考察

上記のデータから、タイミングによるパフォーマンスの差はそれほど大きくないものの、最低金額で購入した場合は若干パフォーマンスが向上する傾向が見られる。しかし、そのタイミングを正確に判断するのは非常に難しい。そのため、基本的な投資戦略としては、S&P500と同様のタイミングを測らない分散投資が妥当であると考えられる。

一括投資と分割投資の差

一方で見てみたいのは、そのどのくら一括投資と分割投資で差が出ているかかだ。パフォーマンスの差をヒストグラムにしてみた。

グラフを見ても分かるように、一括投資のほうが分割投資よりもパフォーマンスが良いケースが多い。その勝率は全体の90%に達している。ちなみに、割安で購入した場合(③)には、その勝率が91.6%に上昇する。

ただし、NASDQAは2000年ごろに発生したITバブル崩壊を思い起こす人もいるだろう。

一括投資において、10年経っても元本割れとなったケースは541ケース中26ケース存在するが、これは2000年のITバブル崩壊直前に購入して、そのまま10年間保有し続けた場合に発生している。したがって、株価が異常に高い場合には慎重な判断が求められる。


これらの結果を踏まえると、NASDAQでも一括投資の優位性が確認できるものの、リスク管理が重要であり、株価が本来の価値から大きく離れているケースでは慎重に判断しなくてはいけない。

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